幸せはシャイボーイ

幸せは目に見えるものではないので

人はそれを必死に探してしまいがちだけれど


目に見えないものは案外すぐそばにあって


いつもの通学路や

寄り道先の雑貨屋さんや

早起きした朝の散歩道や

コーヒーの湯気の中や

陽に照らされた街路樹や

小さな公園のブランコの上や

家の窓からこぼれる明かりに


気づかないところで
気づきもしないタイミングで

それは見つからないようにひっそりと
あなたに寄り添っている


見つからないようにしているのは

見つけてしまうと

もうそこで終わりだと思ってしまうから


幸せはシャイボーイ





 

混沌

心に苦い想いを抱えたら

砂糖を入れても
ミルクを入れても
ちっとも甘くならなかった


カップの中は少しずつ色を変えてゆく

渦を巻いて変えてゆく


そのくすんだ色が私にはお似合いな気がした

ガラス窓に写る顔は
重い灰色の空に重なる


今にも降り出しそうな雨が
私の涙の代わりをした

 かうひいや3番地
（現在は移転しました。この写真は長谷のお店で撮ったものです）
東京都武蔵野市吉祥寺本町３丁目２３−９




 

適温

時間はたっぷりあるのだから

やけどのしない温度になるまで

ゆっくり待ってみたら


どんなものにも「ちょうどいい」があって

１日が２４時間なこと
一杯のコーヒー豆の分量
前髪の長さ
空と僕との距離
僕と君との距離

無題

歩幅が違えば
スピードも違うのだから
自分のペースでいいのです

困難

休んでいる暇はない

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