掛け違えたボタン

うまく笑えないな
君以上が見つからなくて
時間が感じさせてくれるのは
重くなった身体だけ


掛け違えたボタンを外す術はなかった
すれ違いのサインを見逃してしまった

間違いなく僕に原因があると思った
否応なくただただ立ち尽くすしかなかった

季節は変わっていくのに
僕はまだボタンを掛け違えたままの服を羽織っている


うまく笑えないな
君以上が見つからなくて
時間が感じさせてくれるのは
重くなった心だけ


あの時に巻き戻れたらなんて考える
ボタンは間違えないように全部色を変えるよ


薄着の季節を迎えるのに
僕はまだボタンを掛け違えたままの服を羽織っている


うまく走れないな
君を想えば想う程
暑くなっても脱げないのは
まぎれもない未練だろう


うまく笑えないな
君以上が見つからなくて
時間が感じさせてくれるのは
重くなった身体だけ


どれだけ季節が巡っても
僕はまだボタンを掛け違えたままの服を脱げないでいる

RPG

大型の本屋さんを巡っても
君の攻略本は見つからない
いつから難しいキャラクターになったんだろう

部屋中のゴミ箱を掘り返しても
過去の記憶と結びつかない
いつ頃からすれ違ってしまったんだろう

何食わぬ顔して
別の男の話
その笑顔はもう難関をクリアした他の奴のもの

あぁ不公平だな　このゲームの神様は
僕に試練すら与えてくれなかった
この街を通り抜ける風のようには
行かないでほしかったのに


本当のソフトなら絶対売れないな
笑っちゃうくらい単純で
ヤマもなく見せ場もないままゲームオーバー


今度いつ会えるの？
答えのない問い
見てるのは僕じゃなくて携帯に写る別の奴の顔


あぁ不公平だな　二次元も三次元も
ほらまた壁に挟まれちまった　罠だったな
この街を通り抜けていく風のように
君はするりと消えていく


RPG
やり直しはきくかな
RPG
リセットボタンはどこかな
RPG
ラスボスを倒したら
RPG
君は戻ってくるかな
RPG
悲しい単音

激動

TVのニュースで知ったこの世界の変動
状況の規模が大きすぎて
耳に入っては抜けていった

とんでもない世の中にいるもんだな俺達
事態が飲み込めずただただ
日々を過ごしてる奴だらけ


悲しいもんだな
他人が他人のふりをして
すれ違いを恐れない
「だったら何だ？」
「俺には関係ない？」
これでもまだ「寂しい」と嘆くのか！


事態は悪化している　ますます取り上げるニュース
キャスターもどこか無関心
このままじゃ駄目だと言うが易し



強くなってるのは意識だけ
そこで終わらせたらなんの意味もない！


叩き起こそう
自分を　他人を　この世界を
傷つくのを恐れない
手を取り合おう
大きく声を上げよう
そこから始まるものは世界を揺さぶれる！


顔色も髪色も違うのが
そもそもなんの問題があるのか！


叩き起こそう
自分を　他人を　この世界を
傷つくのを恐れるな
手を取り合おう
大きく声を上げよう
そこから始まるものは世界を動かせる！

color rain

転がっていた幸せは本物じゃない気がして
まだ夢の途中だけど遠回りした

たまたま見つけた青い鳥は本物だったとしても
何となく信じられず希薄になる


消えそうな言葉は空へ
あの真っ青な色に溶ける
灰色の言霊が混ざったら
淀んだ世界になるのかな
色のない世界に


君が筆を一振りして
虹を書き足してくれるなら
それがどんなに歪な形でも
存在を肯定してくれるんだよ



流した涙はあの空から
雨と一緒に地面へ落ちる
好きだよ　愛してる　なんて言葉が
しっとりと胸に沁みていく


温もりに包まれて
だんだんとこの心　溶かして

人生ゲーム

謝り癖がついてしまったのかな
自分に素直に生きたい
たとえ周りに左右される性格だとしても
いつも素直でありたい

これでいつもふりだしに戻る
いったいどこがゴールなの？


サイコロの目で出た数だけ進んで
そこに書かれたことを指示通りやって
それが実際の人生だとしたら
この敷かれたレールは自分にとって
ただの鎖でしかない


頑張ったぶんだけ報われる
楽しんだもん勝ち
ゲームにしては怖いもんだ


サイコロで天地が別れる基盤に
何を目標にして振り続ければいいのだろう
勝者も敗者も同じ生き物
同じ地球に立っているというのに
この差はとても大きい


サイコロの目で出た数だけ進んで
そこに書かれたことを指示通りやって
これが実際の人生だとしたら
この敷かれたレールは自分にとって
ただの鎖でしかしかない


今日もまたふりだしに戻る
一体どこがゴールなの？